『北海道ケアラー支援条例』が令和4年3月31日公布され、令和4年4月1日に施行されました。
2013年にケアラーサポートという活動を始め、節目である今年。この10年目にして、自分の居住している地域であり現在のケアラーサポート活動の本拠点である北海道で、この条例のスタートに立ち会えること、とても感慨深いです。
ケアラーサポートは、無償で家族の介護・看護をしている人が困っていることがありますよ、ということを伝えることからスタートしました。
その背景には、私が19歳と25歳で家族の介護・看護を担い、日常生活や学業・仕事とのバランスに戸惑い、苦労した経験がありました。私は普通の学生であり、会社員でしたので、私が困ったということは誰しもが困っているのではないかと簡単に想像できたからです。
その当時、日本には介護・看護をしている家族への支援はほぼ何もありませんでした。しかし、他国へ目を向けてみれば1995年にケアラー法を制定したイギリスなど、参考になる事例がありました。
他国には他国の事情があり、こうした法整備も含め発展してきています。そのまま真似をして踏襲していけば良いということではなく、問題提起をすることにより、日本には日本にあった形で発してくるものがあるのではないかと考えられました。
大切にしたことは、自分の困った経験をなかったことにするのではなく、発信することで問題提起し続けたこと。
同じような想いの方が全国にいらして、私が活動し始めたころ指で数えられる程のように見えた活動団体が、この10年で驚くほど増えました。その一つ一つが市民の声となり、行政・政策を動かしていったのだと思います。
さて、『北海道ケアラー支援条例』が制定され終わりではありません。今後はここに住まう住民として、どのように施策が展開され、実施され、運用されていくのかを見守る役割があると考えています。
ケアラーについての発信、相談窓口などを継続しつつ、今後の動向のレポートもしていき、他地域への水平展開や、サービスへのフィードバックをすることなど1人の市民の声として、福祉の発展に何かできることがあればと思っています。